Category

LatestArticle

LatestComment

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

LINK

このブログをリンクに追加する

スポンサーサイト
--年--月--日(--)--時--分
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

夢と廃墟。飴と泪。
2009年02月16日(月)00時55分
精神論を語り出すと止まらない。その都度理想は高くなって、距離が開く。
彼は常に何かしらの引け目を感じていた。どこか押し切れない遠慮が抜けないまま、それは最早、救い様のない彼の癖になりつつあった。

彼はその貧弱な肉体の中に崇高な精神を内包していたが、そういったバランスの取れないものはゆくゆくは崩れてしまうだろうことが目に見えている。
だが、彼はずっと昔から今の今まで、変わらないそれを維持してきていた。

解決しない矛盾を抱え、それさえも認めて。
彼は穏やかな人間であったが、同時にひどく攻撃的で、むしろ傷付けることを好んだ。
何かを傷付けて、傷付くのを好んだ。

彼は愛を知っていた。ちゃちな言葉でしか表せないそれは、だが確かに彼の大事なもののひとつで在り続ける。
彼は恋を恐れていた。エゴと欲の押し付け合いで終わるそれは取るに足らないものだと冷めていたからだ。

運命という言葉に胸糞悪い嫌悪を抱いて、彼はいつだって嗤ってみせる。
安上がりなそれは言葉そのもの程度の重さしかなく、それは言葉が前提にされて存在するものではなく、事後にはっと気付くものであることを彼はまだ幼いながらも気付いている。

彼は周りが思う以上に何もかもを判っているようだった。
だが彼は自分に足りないものを常に求めている。想いや、願いや、期待といったものがそれに当てはまったが、それだけではまだまだ足りない。

彼はよく泣いて、あまり笑わない。泪を集めて心の底に繰り返される絶望で廃墟を育てていた。
朽ちた、けれど朽ち果てないそれは彼のかなしみの結晶であった。

可能ならば、その脳を、心臓を、血管を、肉を、肉体の全てを開き抉って、取り除いてもらいたいと思っていたが、不可能なことだとも解っていたので彼は小さく笑う。
案外何も求めてはいなかった。
現状への不満足もそのうち消えて、不満ばかりの腐った人間もそのうち消えるだろう。

彼は自分に期待しない代わり、それなりの努力をした。
周りから分け与えられるしあわせや大事な何かに対して、申し訳ないという思いを抱くと同時に何か返さねばという暖かな義務感を抱いた。
彼は幸福を感じられる人間であった。
不幸を不幸と思っても何も変わらない以上は、己を変えるしかないのだと知っていた。

だから彼は迷わない人間で在り続けた。
疑問も、不安も、誰にも気付かれないように直隠しにして、彼は完璧な人間を演じていた。
スポンサーサイト


コメントの投稿













秘密にする   


*心体不合致論*(旧機械仕掛)

いま、さみしいから、どうしてもきみに会えそうにない。
*心体不合致論*(旧機械仕掛)

いま、さみしいから、どうしてもきみに会えそうにない。
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。